さぷりニュース 202210

あなたに冬を告げるものはなんですか?


険太くん、冬の到来を知る
ある日の昼下がり、険太くんの足は今日も近所の空き地に向かいます。近在のネコを集めた井戸端会議で議長を務めるネコっちに会うためです。
「やあネコっち、少し涼しくなったね。ボクなんか朝に布団から出るのが辛くなると冬が近づいてきたなーって思うんだ」
「気持ちはわかるよ険太くん。むかしネコっちが秋田に遠征した時聞いたんだけど、秋田では『冬告げ魚』って呼ばれる魚がいるんだって」
「その魚が取れると冬が来たってこと? なんていう魚?」
「ハタハタだよ。秋田の県魚にもなっているんだニャ。なまはげで有名な男鹿半島が主な産地のようだね」
「食べたことないや。名前はなんとなく聞いたことがあるんだけど、どんな魚なんだろ? 」
「じゃあ今日はハタハタについて話してみようか」
ネコっちのお話⇒『雷が鳴り響く海にハタハタがやってくるニャ』
ハタハタにはいくつか漢字表記があって「鰰 」「鱩」などと書くよ。魚へんに雷と書く理由は、冬の雷が鳴る季節に取れる魚だから。雷が鳴り響くさまは「はたたく」ともいわれるから、ハタハタの語源の一つと考えられているんだ。また激しい雷のことを昔は「ハタタガミ」と言ったことも語源に関係しているかもね。かつて乱獲があって漁獲量が激減したことから、秋田では92年から3年間禁漁にした苦い歴史があるんだ。それだけ大切な魚だって気づいたんだね。大切なものを守るために秋田の人たちは禁漁という代償を払ったけど、保険も大切な人、ものを守るための一手段なことを忘れないでほしいんだ。ネコっちは大切な人を守りたいし、これからもハタハタを食べたいんだニャ!